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環境

第三者意見

後藤 敏彦様 特定非営利活動法人サステナビリティ日本フォーラム代表理事
後藤 敏彦様

略歴
NPO法人サステナビリティ日本フォーラム代表理事、認定NPO法人環境経営学会会長、NPO法人日本サスティナブル投資フォーラム理事・最高顧問、(一社)グリーンファイナンス推進機構理事、(一社)グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン理事など。

環境省事業//EA21改訂検討作業部委員会委員/環境情報開示基盤整備事業WG座長/環境コミュニケーション大賞審査委員/ Eco-CRIP事業検討会座長/日中韓環境大臣会合(TEMM)付設環境産業会議(TREB)団長など複数委員会の座長・委員を務める。ISO/TC207エキスパート。元GRIボードメンバー。東京大学法学部卒。

「SUBARUの環境への取り組み2016」を読んで

環境マネジメントは概ね1996年のISO14001の発行前後から多くの企業で取り入れられました。御社のEMSはその流れの中では完成形といってよい形で運営されています。
しかしながら、2015年9月国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ(SDGs)」と、12月国連気候変動枠組条約COP21での「パリ協定」の採択で人類社会はパラダイム・チェンジをしました。
近代がスタートして以来の「無限」を前提とした「進歩・成長」から、もはやCO2には排出制限がかかり、更には鉄を除くメタル資源の枯渇という環境制約を目前にした、即ち「有限」を前提にした「持続可能な発展」というパラダイムにチェンジしました。
CO2に関して日本は2050年には80%削減、パリ協定では21世紀の後半には人類による排出について実質ゼロを目指しています。
こうした状況の中では、次のボランタリープランの策定では、新しいパラダイムを前提にした長期、例えば創立150周年の「ありたい姿(Goals, Aspirations)」を策定し、それからバック・キャスティングして2030年〜2040年頃の中期のゴールの策定を期待したい。
中期ゴールに向けての3〜5年間隔程度のロードマップを作り、ファースト・ステップが従来と同様、かなり積み上げで決めていく、「必達目標」に近いものになるものと考えられます。セカンド・ステップ以降は、技術革新を含めビジネスモデルのチェンジまで視野に入れたイノベーションのオン・パレードになるものと思われます。
パリ協定が採択から11ヵ月未満で発効したという事実に対して日本企業はかなり鈍感といわれている中で、例外的に自動車業界はパリ協定に先立ちチャレンジを掲げられている大手もあり、御社にとっても長期の方向性とイノベーション戦略の策定は待ったなしの状況と考えます。
ISO14001, 9001, 50001を活用されています。ISO14001:2015版はツールとして大変優れたものに改定されたと考えています。CSRとの親和性も高く、バリュー・チェーン・マネジメント(VCM)にも有効です。EMSを根本から見直され、経営マネジメント・システムに進められる絶好の機会と考えます。
VCMにも取り組んでおられますが、今後の課題としてはデュー・ディリジェンス・プロセス(取引先に関する環境・CSR監査)をどう導入していくかと、セカンド・ティアーから先のサプライヤー・マネジメントをどうするかがあります。14001とエコアクション21また、環境リスクマネジメントは新14001では「リスクと機会」ということで一体としてマネジメントする方向も出されています。要検討事項と考えます。
報告書編集という観点では少し工夫をされるともっと良くなると思われます。
ESG投資家向けにはストーリー性のある編集が好まれます。
また、専門語についての解説はその場で脚注をつけるか、用語集に飛ばすなどされると良いと考えます。更には、資料として付けていただいた自主取組計画などのウェブ上での検索容易性を確保することなどです。




第三者意見をいただいて

弊社「SUBARUの環境への取り組み2016」へのご意見を賜り、ありがとうございます。
頂戴しました貴重なご意見を参考とさせていただき、目標達成のためにチャレンジを続けてまいります。これからも、当社グループの環境活動にご助言を賜ることができれば幸いです。

さて、2016年11月の「パリ協定」の発効に伴い、温室効果ガスの削減に向けて世界的規模での取り組みが本格化し始めたことにより、企業の環境への取り組み姿勢は、以前とは大きく異なり、事業を推し進めるための大きな前提条件の一つであると考えております。
当社においても、様々な環境活動に取り組み、情報開示をしてまいりましたが、従前の環境活動だけでは、今日企業に求められる取り組みとしては不足しているものと認識しております。昨年の当社環境委員会において、社会と当社の未来への持続的成長に繋がる環境活動に当社が取り組んでいくことを改めて確認するとともに、今後はより社会の持続性に貢献できる当社らしい環境活動を企画し、推し進めていくことを決議しました。
その決議に基づき、現在当社は、パリ協定の世界的合意を尊重し、その長期的目標の達成に向けて、当社がどのように貢献していくかについて、あらゆる分野での検討を開始したところです。

次回のレポート発行までには、当社の環境方針において、より持続性への貢献を明確化するとともに、ご指摘頂きました要検討事項の改善を含め、その方針に則した具体的な活動が報告できるように取り組んでまいります。 また、本報告書の編集においてご指摘いただきました点につきましても、引き続き皆さまにより判りやすくお読みいただけるように、更なる工夫をはかってまいります。

当社は2017年4月1日付で「株式会社SUBARU」に社名を変更いたします。スバルグループ全員の力を結集して、「スバルブランドを磨く」取り組みをさらに加速させ、今まで以上に「安心と愉しさ」という固有の価値をお客様に提供し続けることで、更なる持続的成長を目指し、事業活動を通じ環境問題に取り組んでまいります。

2017年2月

富士重工業株式会社
取締役 兼 専務執行役員
環境委員会委員長
髙橋 充

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