人の感動を、つくる。スバル自動車部門 海外営業 小泉 昴 海外車両業務部 海外車両課 (2007年入社)

時代の流行よりも、大事なものを持っている会社。

人をいかに感動させるか。一生ブレることのない私の信念です。学生時代はプロとしてモデルをしていました。やるならとことん、プロとして行っていたのは中途半端なのが嫌だったからです。感動ってやっぱり人にしか作れない。ステージからそんなことを学んだ私は、人に生まれたからには人を感動させたい。仕事として人々に喜びや希望、感動を与えたいと考えるようになっていました。就職活動を迎えた頃、ちょうど車の居住性も注目されている時代でした。しかし、スバルは説明会でこう言いました。「スバルは車の本質である走りを追求することによりお客様に喜びと感動を提供する」と。すかさず質問したんです。「他の乗員よりも走りですか?」すると即答されました。「うちはドライバーですね」と。その瞬間、直感的に思ったんですよ。ここまで自分の道を決意している会社なら、私の人生の目的である「人をいかに感動させるか」を、車という手段を通じて実現できるかもしれない。しかし、最初の配属は群馬製作所の人事部人事課人材開発係。実は群馬を志望したのは自分。感動を提供する手段だと決めたものの、車に詳しくなかった私。車を理解したくて工場を志望したのに、なぜ人事なんだ。抗議しに行きました。一蹴されました(笑)。私はその時まだ気づいてなかったのです。車を知るために、人事がいかにラッキーなポジションなのかということを。

「昴が言うなら協力してやるよ」

業務以外におこなっていたことから話します。ひたすら現場を歩くこと。新入社員当時、実習でお世話になった矢島工場の馴染み3ボディ課。その次はトリム、次はプレスをてくてく。オリジナルの工場マップも作成しました。毎日じっと見つめるとわかってくる。いつもは傷が無かった箇所に傷が出てくるようになっておかしいな。現場を遡ると、最近作業者が変わっていたことを発見。班長と改善してみたり。矢島工場の次は、本工場、大泉工場。範囲を広げて歩きました。そして、現場のいろんな人に話しかけまくりました。そうこうしているうちに現場で噂になっていました。エナメルピンクの靴を履いた人事が夜徘徊しているらしいと(笑)。「おい昴、現場は今こんな問題が起きていて大変なんだ」。現場のリアルな声がどんどん入ってくる様になったときには、私は現場を「分かる」様になっていました。どんな人がどんな気持ちでどんな風にどんなスバルを作っているのか。私は人事ながらも、世の中の研修はなんてつまらないんだと思っていました。だったら、自分で変えればいい。ここでも「心に働く仕掛け」にこだわりました。何故つまらないのかというと、受け身だからなんです。山奥にいって体験型の管理職研修を企画したり、研修そのものに受講生が能動的に取り組めるワークを盛り込みました。楽しくなければ意味が無い。私の開催するエンターテイメントショーに参加した受講生が、何かを感じて前向きに帰ってくれれば、お客様の感動にも間接的に繋がるはず。群馬の成長はお客様に渡るスバルの品質と技術向上に直結するんです。次は何しよう。いつも現場の皆と企んでいました。「昴が言うなら協力してやるよ」。戦友も増え、さてこれからだと思っていた矢先、またもや転機が訪れました。

手段は変わっても、人生の目的は変わることはありません。

青天の霹靂でした。「小泉くん、本社の海外車両業務部に異動です」「それはどこですか?」と思わず聞き返したくらい、当時は見当もつかない仕事でした。それもそのはず。私が現在所属している海外車両課が持つ機能は4つ。海外全市場の生産要望の取りまとめ、部品の輸出、完成車の出荷、独自の物流システム開発。製造と販売を繋ぐ橋渡しはとにかく幅広い。今、私は供給不足が続く北米市場を担当しています。米国販売7年連続前年越えは、世界中の完成車メーカーで唯一うちだけ。もちろん工場はフル稼働ですが、それでも供給が追い付かず在庫がない中で販売している状況です。私の言葉で言い換えると、米国ではそれだけ激しいスピードでスバルという感動が普及されている、ということになります。もっともっと感動を広めるためにはどうすれば良いのか。答えはシンプル。在庫が無い中でスバルを売れる、お客様に早くお届け出来る仕組みを考えれば良いのです。私はこの仕組みを構築するために日米共同プロジェクトを立ち上げました。一般的に物流は、製造部門にぶらさがっています。作ったモノをいかに運ぶかという発想です。でも、うちは逆なんです。物流が営業部門にくっついている。つまり、販売達成のためにどう運ぶか、なんです。だから、お客様である米国と共に協業プロジェクトを立ち上げるのは自然な流れでした。しかしメーカーと海外特約店。互いに背負ってるものが違います。直接現地に赴き要望をヒアリングしたり米人と議論を行ったりとベクトルを合わせるのは大変でしたが、プロジェクト合意の握手は感動もひとしおです。だって、1台でも多く1日でも早くスバルという感動をお客様の元へ届ける仕組みを構築できるんですよ。群馬の人事から本社のサプライチェーン。手段は変わっていますが、私の心は何ひとつ変わっていません。人の感動をつくる。そのためならどんな手段であっても全力を尽くす。それが私の人生の目的です。

週に2-3日は社外の打ち合わせが入る。朝早く出社してアメリカの子会社とテレビ会議を行うことも多い。本社にいる日の午前中は、メールチェック、資料チェック、チーム内の打ち合わせ、資料作成を行う。午後は、船会社などと物流関係について打ち合わせ。

PROFILE 小泉 昴 KOIZUMI SUBARU

スバル自動車部門 海外車両業務部 海外車両課

2007年入社。法学部法学科卒。群馬製作所人事部の経験を経て海外車両業務部へ。海外出張へ赴き現地と直接議論、港や工場へ出向き輸出関連の取りまとめまで、常に現場との会話を重視。業務の幅を広げながら毎日多忙な日々を送っている。

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