アメリカ出発前夜。未来への滑走路。 航空宇宙カンパニー ボーイング 設計開発 宮西 春香 航空機設計部 (787設計) (2010年入社) 15年2月より米国ボーイング社出向

飛行機のエンジニアになりたかった。

高校生のころから「飛行機のエンジニアになりたい!」と漠然と思っていました。その夢を実現させる場所として富士重工業を選んだ理由は、自分らしく働きながらエンジニアとして成長できると感じたからです。その決め手となったのが採用面接です。面接の際に、大学での研究内容を聞かれて「シミュレーションをやってきました」と答えた私に、面接官の部長さんは「実験とシミュレーションの結果って合うの?」という質問をされました。私は、正直に「なかなか合いません。」と答えたのですが、その答えに対して、「そうだよね、なかなか合わないよね」とご自身の経験談を話してくださった上で、「でさ、なぜ合わないと考えてるの?それを踏まえて今後はその研究をどう進めていきたいの?」と、研究の成果ではなく、どのような考えを持って研究に取り組んでいるかに興味を持って話を聞いて下さったのが伝わりました。“プロセスやそこに至るまでの考え方を大切にし、自分の考えを求められる会社なんだな”と感じたことが強く印象に残っています。

絶対に壊れてはいけないものを、つくるということ。

現在は、ボーイング787を設計する部署で機体の強度検討を実施しています。強度検討の仕事は、全ての部品が飛行中の荷重に耐えられることを保証することです。機体の構造に問題が生じるような設計は許されません。私たちが担当しているのは、中央翼という航空機のお腹の部分です。ここは主翼の付け根であり、胴体を持ち上げるとともに、燃料が積まれる重要な部分です。だからこそ頑丈に、安全に設計する必要があります。CADで図面を描いて、あらゆる部品の強度検討をするのですが、いちばん細かいところでいくとボルト1本の検討まで。部品一つ残らず検討するので、本当に多くの時間を費やします。でも、この地道な道のりなくして、安全な航空機を作ることは出来ないのです。しかし、ただ壊れないものを設計すれば良いというだけではありません。航空機の構造部品には、十分な強度を有し、出来るだけ軽く、且つ低コストで作りやすい構造であることが求められます。そのため、役割や形状の異なる部品一つひとつにどのような検討をすべきかという強度検討の知識はもちろんのこと、モノづくりの知識も必要です。例えば、部品の材料や加工方法によってその強度は変わってきます。材料・加工のコストを考えつつ、強度、重量等複数の要求をバランス良く満足し、製品としてメリットのある部品を設計しなければいけません。入社2年目の時に担当した787-9では、2つの部品を一体にして1つの部品にするということにチャレンジしました。これは、組み立てをもっと簡単にしてほしいという現場の要望からはじまったのですが、組立性の改善だけでなく、加工性からコストまで考慮して形状を決めていきました。中でも特に難しいのは、他のパーツとのジョイント部です。大きな力がかかるうえに、周辺構造や部品を取り付ける工具との干渉など、その図面だけでは見えてこない要素をいくつも考慮しなくてはいけません。それらすべての要求が成り立つように形状を決め、さらに十分な強度を有する構造を設計していくプロセスは、まるで立体パズルを組んでいくような難しさがあります。しかし、それを如何に実現していくかが設計の醍醐味だと感じました。

次期開発の時に指名されるキーパーソンになりたい。

来月からアメリカに行きます。777Xという新しい機体の開発に初期段階から関わることができるのです。貴重な機会なので、いろんなことを体験してしっかり吸収してきたいと思っています。アメリカ行きの希望が通り、とてもワクワクしています。ボーイングのエンジニアと仕事を進めていく中で、強度検討の知識・技術、英語での交渉力を向上させて、強度検討のエンジニアとして、ボーイングの人からも信頼されるエンジニアになりたいです。入社して、自分自身が変わったかと言われると、あまり変わっていないように思うのですが、物事をいろんな面から見るようになったと思います。強度、製造、設計、常にどのようにバランスをとるかを考えながら、いろんな見方をできるようになったかなと。他部署との連携が多く、どんどん自分でやれと任されるので、専門以外の周辺知識も増えました。将来の大きな目標としては、次の開発では、キーパーソンと言われる人材になりたいと思います。アメリカ駐在は、そのための新しい一歩です。入社して5年、まだまだ一人前とは言えない私ですが、こうして大きなきっかけをいただけることに感謝しながら、行ってきます!

朝8時始業後、グループ内でミーティングと朝礼が行われる。その後、メールチェック。設計とのミーティングは定期的に開催される。午前中早い時間帯にはアメリカとのテレビ会議を実施することもある。午後は強度検討や試験が多い。試験は爆発音が鳴るほどの大掛かりなものもある。全機試験では、社外の施設に出張する場合もある。

PROFILE 宮西 春香 MIYANISHI HARUKA

航空宇宙カンパニー  設計開発 航空機設計部

2010年入社。理工学部 理工学研究科 機械工学専攻修了。仕事のポリシーは、とにかく安全第一。仕事量が多くても、ひとつひとつは丁寧に、最後までやりきること。
2015年2月よりアメリカに赴任し、旅客機の設計作業に従事中。

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